新しい本が出ます[忘れた頃に届く/2024年9月]

総勢15名による「文章の書き方」アンソロジーです
小沼理 2024.09.01
誰でも
ALT:『みんなどうやって書いてるの? 10代からの文章レッスン』の表紙。原稿用紙で折った紙飛行機と、それを飛ばす手のイラストが描かれている。タイトルと寄稿者の名前も書かれている。寄稿者は石山蓮華、国崎和也、武田砂鉄、頭木弘樹、安達茉莉子、僕のマリ、pha、古賀及子、金原瑞人、乗代雄介、全卓樹、宮崎智之、服部文祥、荒川洋治。装画は葛西由香。

ALT:『みんなどうやって書いてるの? 10代からの文章レッスン』の表紙。原稿用紙で折った紙飛行機と、それを飛ばす手のイラストが描かれている。タイトルと寄稿者の名前も書かれている。寄稿者は石山蓮華、国崎和也、武田砂鉄、頭木弘樹、安達茉莉子、僕のマリ、pha、古賀及子、金原瑞人、乗代雄介、全卓樹、宮崎智之、服部文祥、荒川洋治。装画は葛西由香。

 河出書房新社の「14歳の世渡り術」シリーズから、『みんなどうやって書いてるの? 10代からの文章レッスン』という本が出ます。エッセイスト、作家、詩人、お笑い芸人……さまざまな人が「書く」ための方法や考え方について綴った一冊です。小沼は編著を担当しました。

 読書感想文や小論文など学校の宿題を上手に書くためというよりは、自分の感じ方やこの世界にある素敵なこと、あるいは社会問題などについて、自由に、的確に書けるようになるための本だと思います。エッセイが中心だけど、小説や詩を書く時にも活用できる話もたくさんあります。そして直接的に想定してはいないけど、読書感想文や小論文を書く時でも役に立つはずです。

 以前、市民向けのエッセイ講座を開いている人から、「書き方がわからない」「何を書けばいいかわからない」という人がいると聞いたことがあります。たしかに学校でもエッセイの書き方なんて習わないし、最初はわからないよねえ(それを言うと感想文や小論文も自分はちゃんと習った記憶がない。テストのための「対策」はしたけれど)。

 「こう書きましょう」というセオリーがあるわけじゃないし、唯一の書き方に縛るのも違う。でも、どんな人も何かしらの方法論や考えに依拠しながら書いているはず……だったらその多様なバリエーションを見せる本があったらいいんじゃないか、ということで、たくさんの方に寄稿してもらうこのかたちになりました。

 制作中、自分の中で指針になっていたのが「たくさんの正解がある」という言葉。エッセイの書き方にはたくさんの正解があって、だからこそ迷ってしまうけれど、どのやり方も間違いではない。っていうか間違ってもいい。トライアンドエラーでいっぱい試したらいいんだな〜と思ってもらえたらいいなと考えながら作っていました。なので寄稿者の皆さんには、読者が自分の「書く」に取り入れやすいように方法や考え方をなるべく具体的に書いてもらっています。

 第一読者は10代ですが、エッセイなどを書いてみたい人、書いている人なら何歳であっても参考になると思います。特に書きたい気持ちがない人でも楽しめるはずです。「物書きの人はこういうふうに書いているんだ」というのがわかる、いわば手の内を明かしてくれた本でもあるので。読んで「え、なんか自分も書けそうかも。やってみようかな」と思ってもらえるといいなあ。

 ちなみに「なんで小沼が編著を?」と思う人のために簡単に説明しておくと、私のZINE『みんなもっと日記を書いて売ったらいいのに』が河出書房新社でこの14歳シリーズを担当している高野麻結子さんの目に留まり、何か一緒にできないかと声をかけてくれたのでした。ZINEからこういう仕事につながることもあるんだなあ……と不思議な気持ちです。だからというわけではないけど、小沼が執筆を担当しているコラムでは「ZINEを作ってみよう」みたいな話もちょっとしています。

 編著として小沼の名前が単独で出ていますが、実際の編集作業は河出書房新社の高野麻由子さんと二人三脚で行っています。寄稿いただいた皆さんのラインナップは小沼1人だったらまた違ったものになっていたでしょうし、実務的なやりとり、10代に向けた文章としてどうか? という視点でのチェックなど、大いに助けられました。ありがとうございました! 本のあとがきで書くスペースがなかったので、勝手ながら代わりにこちらでお伝えさせていただきます。

 色んな人に手に取ってもらえたらうれしいな。学校の図書室や図書館にたくさん置かれてほしい。

 9月26日ごろ発売です。どうぞよろしくお願いします!

【お知らせ】

 9月は『10代からの文章レッスン』が出るのに加え、なんか色々とイベントがあります。順番に書いていきますね。

🏳️‍🌈9月8日(日) 「それでもパレードは続くよ」 ソウル・クィア・パレード2024に行ってきた!

ALT:「それでもパレードは続くよ」 ソウル・クィア・パレード2024に行ってきた!バナー。場所:platform3(東中野)または online/ゲスト:小沼理(ライター・編集者)、植田 祐介(韓国語翻訳者・FHIジャパンファンドレイジング担当)/onlineゲスト:りか(林夏生先生の元ゼミ生)

ALT:「それでもパレードは続くよ」 ソウル・クィア・パレード2024に行ってきた!バナー。場所:platform3(東中野)または online/ゲスト:小沼理(ライター・編集者)、植田 祐介(韓国語翻訳者・FHIジャパンファンドレイジング担当)/onlineゲスト:りか(林夏生先生の元ゼミ生)

 去年も配信を行ったあんにょんパンドのソウル・クィア・パレード報告会に出ます。9/8の20時から、会場は東中野の新しい書店platform3。会場参加は残席が少なくなっているみたい。配信もあります

 今年はパレードの内外で行われていたパレスチナ連帯の様子など、色々お話しする予定です。

🪦9月12日(木)透明な「家父長制」を炙り出す。-『家父長制はいらない 「仕事文脈」セレクション』刊行記念イベント-

ALT:『家父長制はいらない 「仕事文脈」セレクション』刊行記念イベント、透明な「家父長制」を炙り出す。のバナー画像。イベントの時間や登壇者の情報が書かれている。時間:2024年9月12日(木)19時30分から21時/場所:透明書店(東京都台東区寿3丁目13−14 1F)/登壇者:タバブックス代表 宮川真紀、『家父長制はいらない』編集 小沼理

ALT:『家父長制はいらない 「仕事文脈」セレクション』刊行記念イベント、透明な「家父長制」を炙り出す。のバナー画像。イベントの時間や登壇者の情報が書かれている。時間:2024年9月12日(木)19時30分から21時/場所:透明書店(東京都台東区寿3丁目13−14 1F)/登壇者:タバブックス代表 宮川真紀、『家父長制はいらない』編集 小沼理

 『仕事文脈』の近年の寄稿からフェミニズム、ジェンダー、セクシュアリティにまつわる文章を集めた『家父長制はいらない 「仕事文脈」セレクション』の刊行記念イベント。

 8月に開催予定でしたが台風のため延期になり、この日に振替となりました。それなら行けるという方、ぜひ! 東京・蔵前の透明書店でお待ちしています。配信もあります!予約・詳細はこちらから。

🦀9月25日(水)蟹ブックスお店番

 毎月恒例のお店番です。蟹ブックス、今日9月1日で開店2周年です🦀

🖋9月26日(木)『みんなどうやって書いてるの? 10代からの文章レッスン』発売日!

🐕10月19日(土)イエデイヌ企画の舞台『エリカによろしく』(三鷹SCOOL)アフタートーク

ALT:イエデイヌ企画『エリカによろしく』ウェブチラシ。

ALT:イエデイヌ企画『エリカによろしく』ウェブチラシ。

 10月なのでちょっと先ですが、イエデイヌ企画による舞台『エリカによろしく』こちらのアフタートークに登壇します。チケットも本日から発売になってました。私は19日(土)14時からの回にお邪魔します。

 ちなみに18日(金)のアフタートークゲストは古賀及子さん。古賀さんは『10代からの文章レッスン』にも寄稿してくださっています。偶然だけど、縁がある感じでうれしいですね!!

 ひと段落かと思われた『共感と距離感の練習』関連のイベントもこの先いくつかありそうで、それも決まり次第お知らせします。22日(日)とか、なんかあるかもしれませんよ(なかったらごめん)!

 それから最後にもう一つお知らせ。今年4月21日にハチ公前で行われた【虐殺にプライドはない!デモ&パレスチナに連帯するクィアの集い】のスピーチを集めたZINEが発売になりました。

「虐殺にプライドはない!パレスチナに連帯するクィアの声 ZINE」の表紙。

「虐殺にプライドはない!パレスチナに連帯するクィアの声 ZINE」の表紙。

 諸経費を除いた売上はパレスチナに寄付されます。印刷版電子版があり、どちらも日本語と英語2言語での掲載です。

 イスラエル軍によるガザ侵攻がはじまって今月で11ヶ月。もうすぐ1年が経ってしまうことに言葉がないです。失われたものを思うと遅すぎるくらいだけど、それでも一刻も早い停戦を求めます。

 今日9月1日は関東大震災から101年でもありますね。先日の選挙で再選された小池百合子都知事は今年も関東大震災朝鮮人虐殺犠牲者追悼式典への追悼文送付を見送りました。「犠牲になったすべての方々に哀悼の意を表す」と言っているそうだけど、自然災害と流言によって人が人の命を奪う虐殺はまったくの別物です。

 「忘却が次の虐殺を準備する」という、岡真理さんが「ガザを知る緊急セミナー」で紹介していた言葉を思い出します。8月には南海トラフ地震の臨時情報が発表されて、いつまた大規模な自然災害が起こるかわからない。その時に同じことを絶対に繰り返さないためにも、ちゃんと史実に向き合ってほしいです。

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